いかにもサッカーの母国らしいニュースが英紙デーリーメール電子版に掲載されていたので紹介したい。同サイトによると、フェイスブックに投稿された結婚式を控えた匿名女性からの一文が、多くの場所で議論を巻き起こしている。

 イングランド-スウェーデン戦が行われた7日に結婚式を迎えたその女性は式の直前、フェイスブックに「いかなることがあっても、結婚式で試合の映像は見せません」と怒りに満ちたコメントを投稿。招待客に対してスマートフォンで結果をチェックすることさえ禁じたのだという。

 なぜそのような「宣言」に至ったのか。それは招待客から「その日はイングランド対スウェーデン戦の日だけど、式場で試合を見ることはできるかな?」という問い合わせが殺到したため。一生に1度のウエディングよりもサッカーを気にする客に激怒し「結婚式ではサッカーなし」ということになった。

 英国で最もポピュラーな子育てサイト「マムスネット」でも、これについての意見が集まった。「試合を見せるべきだけど、花嫁のいらだつ気持ちはよく分かる」「試合を結婚式の一部に組み込んで一緒に楽しめば」「すべて禁止したら、彼女の人気はがた落ちだろうね」などと「試合容認派」が多数を占めている。

 また英スカイスポーツ電子版では、結婚式でイングランド戦を見せることに決めたカップルについて報道。花嫁のジェスさんは「じゃあなんで式に来るのっていう気持ちはあるけど、みんなで盛り上がることに決めた」というコメントを紹介している。

 では筆者の意見は? 多くの女性を敵に回すことを承知で言うと「結婚式でもサッカーを見せるべき」だと思う。なぜなら「サッカーの結果よりも、あなたの結婚式の方が大事」と言ったら、自分の心にウソをつくことになるので…。

 ちなみにスポーツ記者の世界では、自分の結婚式は担当している種目がオフの間に行うという不文律がある。それは同業者を招待しても仕事が忙しくて来られない可能性が高いからだ。この匿名の女性も、そもそも最初からワールドカップの時期は避ければ良かったのに、と思う。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)