日本代表DF内田篤人の所属するシャルケが、新たにやってくる選手との契約に“デュッセルドルフ禁止令”を盛り込む予定だという。

 大衆紙「ビルト」が伝えたところによると、シーズン途中での監督交代や、最終的に6位に終わってしまったこと、そしてシーズン終了後にロベルト・ディ・マッテオ監督が辞任するなど散々だった今季を踏まえ、シャルケのホルスト・ヘルトGMは“居住地の制限”というプランを考え出したようだ。

 同紙によれば、ファンを含むシャルケ関係者全員の結束を強めるため、これから新たに同クラブでプレーすることになる選手の契約書には「練習場やスタジアムがあるクラブの敷地から30km以上離れたところに住んではいけない」という条項が書き加えられるという。これにより、シャルケのホームタウンであるゲルゼンキルヘンを含むノルトライン=ウェストファーレン州の州都であり、多くの日系企業が拠点を置くことで知られているデュッセルドルフには住めなくなる。

 人口約50万人の同都市はゲルゼンキルヘンから45kmほど離れているが、高速道路を使えば十分通勤圏内であり、過去にはFWラウール・ゴンザレス、現在も主将DFベネディクト・ヘベデスやMFケビン・プリンス・ボアテング、MFロマン・ノイシュテッター、DFデニス・アオゴ、DFクリスティアン・フクス、GKファビアン・ギーファーら多くのシャルケ所属選手が居住。しかしこれが「シャルケの近くに住んでいない選手が、シャルケにアイデンティティを見いだせるのか?」というファンからの批判の対象になっていた。

 しかし家族等の問題もありすぐに引っ越すことも難しいため、この居住地制限は新加入選手にのみ適用されるそうで、またゲルゼンキルヘンに限定はされず、エッセン、デュイスブルク、ドルトムントなどを含む「30km圏内」で、ひとまずは落ち着いた様子だ。

 ちなみにヘルトGMも同じくデュッセルドルフに家を持っているが、このままでは示しがつかないと思ったのか、すでにゲルゼンキルヘンでアパートを探している模様。まずは自分が率先して動き、ファンの信頼を取り戻していくつもりであるようだ。