今月上旬、日本代表MF香川真司の所属するドルトムントがアジアツアーを行い、7日には川崎フロンターレと強化試合を実施。日本の熱い歓迎ぶりはドイツでも大々的に報じられていたが、逆に日本では香川の“とある姿”が話題になっていたようだ。

 前半終了後、川崎の大久保嘉人とユニフォーム交換をする際、香川が黒いスポーツブラのような物を身に付けている姿がカメラに撮られ、インターネット上で「あれはなんだ?」ということになったらしい。

 現在ヨーロッパのクラブでは一般的になりつつあるため、すでにご存じの方も大勢いるとは思うが、これ、決して選手に女装癖があるわけではなく、れっきとしたハイテク機器の1つ。正確にいえば、この“スポーツブラもどき”にGPS機能付きチップを装着し、選手の走行距離やその強度を測定するものなのだ。

 大衆紙『ビルト』によれば、日本代表MF原口元気とMF細貝萌が所属するヘルタ・ベルリンも、今シーズンから同機器を導入。フィットネスコーチのヘンリク・クフノ氏は「シャルケで働いていた時からこの装置のことは知っていた。トレーニングで毎回使用することで、練習の負荷を高めたり、または低めたりする時の判断に役立つんだ」と話している。

 また、ヘルタでの現役時代に闘志あふれるプレーでファンから大きな支持を得ていたパル・ダルダイ監督には、これを使用することで新たな発見があったという。

 「ハンガリー代表監督をしていた時にも使っていたんだが、必要とする以上の量のデータが集められる。さらにそれを見ると、選手のメンタリティも少し分かるようになった。練習で『最後まで全力で走りきる』のか、『早足で歩くだけ』なのか、はっきりするからね」

 ちなみにヘルタが導入したのは、ドイツ南西部の都市カールスルーエに拠点を置く『2DDebus&Diebold』社のもので、1チームあたりの価格は4万ユーロ(約540万円)。一般市民の我々にはなかなか手が出ない金額であるため、(くどいようだが)どうかスポーツブラや矯正下着と間違えてお買い求めのないように。