ハノーバーMF清武弘嗣(25)が今季初ゴールをマークした。1点を追う後半に華麗な右足のボレーシュートを決め、アウェーで勝ち点1を獲得した。右太もも裏の故障でベンチを外れたDF酒井宏樹(25)の分まで奮闘した。

 清武らしい華麗なボレー弾だった。0-1の後半12分、右後方からの浮き球のクロスを、ゴール前に走り込んで胸トラップ。ボールが地面に落ちる前に素早く倒れ込みながら、右足でゴールに蹴り込んだ。

 「みんなマヌ(アシストしたシュミーデバッハ)の方を見てたんで。自分はただDF裏に抜けて、トラップしてシュートを打つだけでした」。そう淡々と話すほど簡単ではないファインゴールでマン・オブ・ザ・マッチ。独ビルト紙の採点でも、両チームでただ1人最高点の「1」がついた。

 何とかドローに持ち込んだが、依然として開幕から7戦未勝利(2分け5敗)で最下位。清武は「相手は欧州CLとかあって正直疲れていた。あまり良いパフォーマンスではなかったので勝ち点3はほしかった。プラスなのは引き分けということくらい」と話した。

 6月に右足の手術を受け、9月中旬に戦列復帰したばかり。今季から10番を背負うが、開幕に間に合わずチームも低迷する。それでもシュミーデバッハも膝の故障から戻り、今季全7戦で失点している守備を立て直せば、チーム浮上のきっかけも見えてくる。ニュルンベルク時代を含め、毎シーズン残留争いを経験する清武は「苦しいですけど、まだ。頑張ります!」と前を向いた。【鈴木智貴通信員】