ACミランの日本代表FW本田圭佑(29)とインテルミラノの同DF長友佑都(29)がミラノダービーでそろって先発した。親善試合の「ベルルスコーニ杯」で互いに控え選手が多く先発したためで、本田は決定機を決めきれず、長友も見せ場なしに終わった。試合はインテルミラノが勝った。

 いくら親善試合とはいえ「ミラノダービー」にしては、盛り上がりも先発の顔ぶれも物足りなかった。8万人近く入るスタジアムに観客はたった1万5772人。変則マッチも含めるとこれが今季早くも4度目の顔合わせで、開始も午後6時と早かった。まるでその後の時間帯に行われる欧州CLの“前座”のような一戦だった。

 ミランの本田もインテルの長友も、そんなさみしいダービーだからこその同時先発だった。本田はテスト的な起用でほとんど経験のない3トップの左FWで後半35分までプレー。決定機を決めきれず、ミランのミハイロビッチ監督は「本田がチャンスを作ったが、ゴールにはならず、我々は負けてしまった」と言った。長友は左サイドバックから中盤へと便利使いされ前半だけで退いた。2人とも取材には応じず、報道陣にあいさつしただけで引き揚げた。

 特にクラブ、監督批判ともとれる発言後、処遇の注目される本田にとってはレギュラー奪取を結果でアピールする好機だったが、決定力不足を露呈した。これが本当に最後のミラノダービーでの日本人対決になってしまうのだろうか…。【波平千種通信員】