ヘーレンフェインの日本代表MF小林祐希(24)は、左MFでフル出場した。ゲームメーカーとして効果的なパスを出すなど、チームの攻撃をけん引し、スタンドから歓声を受けた。

 ヘーレンフェインが圧倒的に支配した試合だったが、得点を奪えず0-0と引き分け。勝利することができなかったが小林は「良いサッカーをして、勝てた時から、良いサッカーをして勝てなくなった。それで自分たちを疑ったら、地獄への道が待っているので。俺らはこれを貫くんだというのを本当に信念を持ってやらないと」と、現状のサッカーに満足していた。

 小林の一問一答は以下の通り

 -ダービーで同点。

 勝ちたかったね。でも、前半のチャンスで点が取れたら、また違った展開になったのかな。相手もうちょっと(攻撃に)出てきて。もうちょっと攻撃しやすくなったのかなと思ってますけど。ま、2試合続けて良い崩しとか、良いコンビネーションを見せた中で点を取れなかったのは、俺以上にMFマルティン(エデゴール)とかFWサム(ラルソン)とか、FWアルバ(ゼネリ)が気にしていると思う。そこら辺は気にしないで、点はいつか来るよと言い続けたいなと思います。

 -試合の流れとしては予想どおりで、両サイドバック空いて。小林選手がどう(相手を)つぶすかなと思ったら、特に前半すごく(スペースを)切らせて、カウンターさせなかった。

 もうちょいカウンターをくらうかなと思っていたですけど。意外とその前でつぶしたりしてたんで。そこまで(相手に)好き勝手やらせなかったという印象があるんですけど。もうちょい、なんだろうな、こうきれいなんだけど、パスつないで。もうちょい貪欲なシュートとか、もう何か欲しかったかなと思います。ちょっとこう、きれいにつないで、つないで、最後ゴールまでというのは、やっぱマルティンが入ったことで、つなげるというイメージは共有できているから、逆にそう(思い切ったミドルシュートを打たなく)なっちゃうのが分かるけど。なんか、(途中出場の)FWペレ(バンアメルスフォールト)が入ったときの方が、泥臭いみたいな、ゴチャゴチャとなって、レザが決めるみたいなのは、ちょっと多かったな。でも、マルティンも気にしていると思うし、最後の崩しのところでうまくいって、決めるところだけだから。ま、サッカーって面白いなって感じます。

 -エデゴールはやっぱりうまい。

 受ける位置がやっぱ、(前線から後ろに)降りてきて受けたときは、ゆっくり持って考えるけど、サムみたいに(スペースが)狭いところでパッと受けて、スって前に向けて、スルーパスとかシュートとかは、まだ見せてないよね。トップ下でそこまで下がってくるなら、ある程度、(ボールを)受けられるというか。だって、ボランチがそのままついてて、そこ(後ろのスペース)を開けないから、(相手も)ばかじゃないから。そこでやらせておけばいいやという、ま、今日相手もブロック作ったからなおさら。もうちょい前で受けて、最後の勝負というところを覚えたら、もっと効果的というか、もっと(ゴールに)直結するプレーが増えるじゃないかなと思います。まだ、やっぱこう、フリーなところで(ボールを)受けて、さばいてという感じなんで。フリーで受けて、さばいた後にどう(スペースへ)入っていくか。その後どこで(ボールを)受けるかというのは多分、彼のこれから求められることだと思います。

 -前半で、相手の12番につくか、22番につくのか。それハーフタイムに修正したのか。

 守備のところで修正したのじゃなくて、攻撃のところで修正したら、守備がうまくハマった感じで。前半左サイドで(ボールを)受けて、こう(ピッチの)幅を持たせる感じでイメージしたけど。ではなくて、俺はもうボールを受けなくていいからと。

 MFモルテン(トルンスビー)とセンターバックの2人で、相手の2トップ、2対3を作らせて。俺は前に入ったんですよ。そしたら相手が俺につきに来る。そしたら、マルティンとサムが空くというのは前半と変わったところで。

 前半、俺が(後ろに)引いて、この(前線の)スペースを空けようと思ったけど、(相手がマークに)出てこなかったから。じゃ、そいつに付きに行って、近くに行って、(マークに)つかざるをえなくすれば、そのもう1個後ろ(のスペース)が空くから。サムとマルティンはそこで(ボールを)受けられたので。

 後半はもう一方的な展開になったし。攻撃で俺がちょっと高い位置を取れば、相手も下がらざるをえないから。(相手の)22番もあまり入ってこれなくなったし。攻撃を改善すれば、守備もとか、守備を改善すれば、攻撃も良くなるとか、サッカーってそういうもんだ。うまくできたんじゃないかなと思います、前後半で。

 -戦術で勝っても、結局点が取れるか取れないか、その辺が残念。

 サッカーが続く限り永遠にこういうことになるんで。俺は深く考えないで。公式戦2連敗した。で、リーグ戦では連敗しなかった。というふうに考えたほうが、若いチームには良いのかもしれない。負けて、引き分けて、じゃあ次は勝てるかもしれない。それだけでも前に進めるしね。やっぱり、前に進むために心がけをしていけば。みんな良いプレーをしていたし、と言ってあげられる用になりたいねと思います。

 -前半で試合の情報収集が今まで以上に意識できるようになった。

 あの、オランダに来て日本よりかなり細かい戦術というか。日本はこう「自分たちのサッカー、自分たちのサッカー」みたいな感じで言うけど。やっぱり対人の時にカバリングに入ったり。こうなんか、一対一でハメていくというのはあまりないんですけど。そのハメていく感じというか、相手がこういう時はこうハメるみたいなのを、うちの監督は「相手が3バックだったらとか、相手がこういう風になったらこう」みたいなのをやっぱり持っている。

 それを俺が学んで、今こうなった、じゃあ、こいつを活かしたほうがいいとか。今、止まらせた方がいいとか。今、俺がこう風になった方いいとかなんか。自分の中でもうできてきたし。それは監督の、今の監督の戦術かも知れないですけど。監督がこう言っているけど、こっちの方がいいとかも感じれるようになってきたんで。

 戦術というものは、しっかりチームに浸透させようとしている監督のところでプレーができて、すごくよかった。その瞬時に、後半こうしようとか、前半はこのまま我慢だとか。そういう割り切れるというか、これがダメだったら、こうする。次の戦術、それは個人戦術ですよね。チーム戦術じゃなくて。それは出せるようになってきて、形にできるようになってきた。

 前半のうち(戦術を)変えられたらもっと良いですけど。あの、やっぱりサッカーは生き物だから。常に流れているから。その中で急に(戦術を)変えるのは難しい。そこはハーフタイムをうまく使って。一回、(頭を)クールダウンしている時にみんなでしゃべるのが一番いい方法だと思う。

 結構、前半入りが良くて、15分過ぎちょっとで悪くなったりして。また、後半良くなる。うちのパターンですけど。それでいいと思うけど。悪い時間帯どうするか。俺とかレザとかアルベルとかキーパーとかが考えればいい。若いやつらは俺らに誘導されているのを知らずに楽しんでくれればいいと思います。

 -(アンカーの)スタインがいない中でやれている。

 勝ててないから、みんなフラストレーションたまっていると思うけど。

 -サッカーは(スタインがいなくても)ずっといいが。

 良いサッカーをして、勝てた時から、良いサッカーをして勝てなくなった。それで自分たちを疑ったら、地獄への道が待っているので。俺らはこれを貫くんだというのを本当に信念を持ってやらないと。今日は負けなかったのはすごい良かった、無失点もすごくよかった。点はその時の運もあるから。でも、守備、失点しないというのは運じゃなくて、未然に防いでいるのがすごい大事だと思うんで。

 だからそういう面ではすごくよかったと感じています。

 -今日は40メートル、45メートルとロングボールが見られた。

 相手がブロック組んでいるから。(相手を)剥がしてというよりは、ロングパスとか、弱いパスからちょっと強いパスとか。パスで(相手がマークに来るように)食いつかせるような弱いパスにしないと。

 (相手の)センターバックに、もしかしたら(ボールを)取れるみたいな感じで、ちょっと動いてくれるくらいの弱さで(ボールを)出したり。相手が動いたら、ここ(のスペース)が空くね。というのはちょっとイメージしてやったんですね。

 それがうまくハマったのは、レザとパンパンと(ショートパスを)やって、サイドチェンジをしたところ。あれはもう、自分のイメージ通りに進んだから、すごい気持ちよかったです。

 -17分のシーンか。

 その前のポンポンと(ボールを)つないで、マルティンにサイドチェンジして、サイドバックが上がって、すっと。こういう攻撃を何回も何回も繰り返していけば、点は、1点くらいは、90分あればね。信じて俺らは続けるしかないよ。

 全然悲観する(試合)内容じゃない、今日は。むしろ勝ちゲーム落としたね、そういう悔しがり方ならいいけど。また勝てなかったみたいなネガティブな悔しがり方はやめた。

 -ロッカールームはどうだったのか。

 やっぱり暗いよ。若いから暗いよ。でも俺はそこでいろいろとしゃべりたいけど、難しいから。もうね、空元気でもいいから。1週間空元気で頑張ります。