レアル・マドリード(スペイン)が、FWベールの2得点などでリバプール(イングランド)を破り、欧州チャンピオンズリーグ史上初の3連覇を達成した。

 13シーズンぶりの優勝を狙うリバプールは、前半にアクシデントが起きた。今季公式戦44得点を挙げているエースFWサラーが前半26分、RマドリードDFセルヒオラモスと競り合った際、腕を巻き込まれるような形で激しく転倒し、左肩部分を地面に打ちつけた。2分後、再び地面に座り込むと涙を流し、無念の途中交代となった。

 対するレアルも前半37分、スペイン代表DFカルバハルが足を痛め途中交代となった。前半43分にはFWロナウドがヘディングシュート。GKがはじいたところをFWベンゼマが押し込むがオフサイドの判定。前半は0-0で終了した。

 試合が動いたのは後半だった。6分、リバプールGKがボールをキャッチし、右サイドへスローイングでパスを送った瞬間、FWベンゼマが右足を伸ばす。ボールがその足に当たり、ゴールへ転がり込み、思わぬ形でRマドリードが先制した。

 追う展開となったリバプールは4分後、DFロブレンが打点の高いヘディングシュートをゴールへ向けて放ったところ、セネガル代表FWマネが右足を伸ばし、GKナバスの目前でワンタッチ。ゴールへと流し込み、1-1の同点とした。

 一気にボルテージが上がった両チームはさらに前がかりとなり、オープンな展開に。後半16分、MFイスコに代わってベールが登場。攻勢をかけるRマドリード、そのジダン監督の采配が的中した。

 3分後、左サイドのDFマルセロがゴール前へ送った球足の速いクロスボールに、ベールがゴール前中央でオーバーヘッドシュートを放つ。これが鮮やかに決まり、勝ち越しに成功した。2002年、ジダン監督が現役時代、やはり欧州CL決勝レーバークーゼン戦で決めたボレーシュートをほうふつさせる、後世まで語り継がれるような芸術的な一撃だった。

 さらにベールの勢いは止まらない。後半38分、ゴールまで30メートル近い距離から左足でゴールを狙う。ブレ球となったボールはGKカリウスの手をはじき、インゴールへ転がった。

 今季の欧州CLで15得点と得点を積み上げてきたロナウドを脇役に追いやり、ベールが主役となった。Rマドリードは欧州CLで13度目の栄冠に輝いた。