香港プレミアリーグ傑志FW中村祐人(31)が13日、中国国籍(香港居民)を取得して香港代表に選ばれた。

一夜明けた14日、中村は「日本国籍を失うことに抵抗はなかった。どこでも何人でも僕は僕だから。代表でやるのが、ずっと夢だった。やってやろうという気持ち」と抱負を語った。そして香港代表として練習を行い、親善試合インドネシア戦が行われる敵地チカランに向かった。

中村は中国国籍を取得したきっかけが、青学大から2009年(平21)に入団した香港プレミアリーグTSWペガサスで同僚だった、現J3鳥取GMの岡野雅行氏の言葉だったと明かした。岡野氏は同6月に鳥取へ移籍し、中村も同9月にポルトガル2部のポルティモネンセに移籍したため、プレーをともにしたのは半年だったが「若いんだから何だってチャレンジできるよね。7年頑張って香港代表目指せよ」と言われたのが心に刺さった。

中村は10年7月にTSWペガサスに復帰後、岡野氏の言葉を守り香港でプレーを続け、現地では代表入りを熱望する声も出て、今回の代表入りとなった。「岡野さんに言われたことが意識した最初です。香港に戻って来た際、どうせやるなら大きな夢を描こうと思ったことがかないました。香港の人にも代表としてふさわしいと認められるようなプレーや振る舞いをしていきたい」と誓った。【村上幸将】

 

◆中村祐人(なかむら・ゆうと)1987年(昭62)1月23日、千葉県浦安市生まれ。柏ジュニア6年時に全国8強、浦和ユースで日本クラブユース選手権準優勝。埼玉・西武台高サッカー部に移籍し、3年時に選手権出場。青学大2年時の06年に関東大学2部得点王とベストイレブン。香港のTSWペガサスを皮切りにポルトガル2部ポルティモネンセを経て、その後は香港の公民、南華、和富大埔にも所属。父は浦和の中村修三GM。家族は妻。