<ブンデスリーガ:ボルフスブルク2-1シャルケ>◇18日◇シャルケ

 【ゲンゼルキルヘン(ドイツ)=西村友通信員】ボルフスブルクが日本代表MF長谷部誠(25)の決勝アシストで、因縁のシャルケに2―1と競り勝った。長谷部は前半31分から出場すると、1-1の同点にされた直後の後半36分に右サイドから正確なパスを送り、FWジェコの決勝ゴールを導き出した。昨季までチームを率いたマガト監督が相手のベンチから見守る前で貴重なアウェー戦の勝ち点3。ボルフスブルクが暫定ながら5位に浮上した。

 長谷部が前節の屈辱を晴らした。CKから同点とされた直後の後半36分、パスワークから右サイドを抜け出し、ゴール前に正確なクロスボール。走り込んだジェコは右足を合わせるだけの、完ぺきなパスだった。実直な男はスタンドに手を上げて喜び「友達が来ているので。昨年も来てくれたけど(その時は)出られなかった。今年は出られてよかった」と話した。

 今季初の先発となった12日のレバークーゼン戦。GKベナグリオが危険なプレーで一発退場となり、控えGKを投入する代わりに長谷部がベンチに下がった。前半わずか32分間での「玉突き交代」だった。試合にも2-3で敗れ、ショックを人知れず抱えた。しかし、この日は逆に前半31分からの途中出場。「前回チャンスをもらった時はいいプレーができなかったので、今日はラストチャンスの気持ちでやった。結果が出てよかったが、まだまだ完全な信頼を得るまでいってない」と気を引き締めた。

 敵将マガト監督の前で、成長した姿も披露した。運動量が豊富で攻守に惜しみない長谷部のプレースタイルを好み、ドイツへと引っ張ってくれた恩師だ。「まだ会ってないです」と話したが、持ち味を発揮しての決勝アシストこそ「最高のメッセージ」となった。

 [2009年9月20日9時17分

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