<欧州CL:インテル3-1バルセロナ>◇20日(日本時間21日)◇決勝トーナメント準決勝第1戦◇ミラノ

 策士ジョゼ・モウリーニョ監督(47)率いるインテルが、王者バルセロナを3-1で下した。アイスランドの火山噴火で長時間のバス移動を余儀なくされた相手に対し、追い打ちをかけるように「アウェーの洗礼」を浴びせた。相手のパスワークを封じるためピッチの水まきを禁じ、試合では徹底した守備戦術でFWメッシを完封。試合後にMFシャビが主審批判するや「負け方を知らない」とばっさり切り捨てた。

 モウリーニョ監督の策略が、まんまとはまった。ボールを支配しながら攻めきれず、フラストレーションのたまったバルセロナMFシャビは試合後に爆発。テレビカメラに向かって「主審はモウリーニョと同じポルトガル人だった」と吐き捨てるように言った。これを受けたモウリーニョ監督は「負け方を知らない」とばっさり切り捨てた。

 試合前日から「神経戦」を仕掛けていた。火山噴火で飛行機が飛ばず、バルセロナは片道985キロの行程を14時間かけてバス移動。公式会見でメディアから、「バス移動したバルサは不利か」と問われた同監督は「この勢いなら、火山噴火までオレのせいだと言われかねない」とふてぶてしく言い放った。

 この日になると、欧州連盟にわざわざ連絡。大会規約上では、試合前のピッチに水をまく必要がないことを確認すると、グラウンド管理人に「水をまくな」と指示。速いパスワークに適した高速ピッチを好む相手に不利な状況をつくり出した。バルセロナ側から「なぜ水をまかない?」と文句をつけられても、「こっちの勝手だ。ルール上は何も問題はない。水をまきたければ、第2戦で好きなだけまけばいい」と開き直った。

 4年前のチェルシーの監督時代には、雨天で状態の悪いピッチにわざと水をまいて、バルセロナの前日練習を妨害したこともある。長距離のバス移動で心身に疲労を抱えていた相手に、追い打ちをかけるように、あの手この手を使った。そして、持ち前の守備戦術でメッシを封じ込め、カウンター攻撃から3得点。バルセロナのグアルディオラ監督は「次はピッチにいっぱい水をまく」と言い返すのが精いっぱいだった。

 [2010年4月22日8時39分

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