フランスリーグ・グルノーブルFW伊藤翔(21)が清水に完全移籍することが10日、決定的になった。6月でグルノーブルとの3年半契約が満了。複数のJクラブが獲得へ向け水面下で動きだしていたが、この日までに、交渉先を清水に一本化。最終段階まで入っている交渉が順調に進めば、最速でW杯終了後初戦の磐田戦(7月17日)で「Jデビュー」を果たす。

 伊藤は、中京大中京高3年だった06年8月にプレミアリーグ・アーセナルのテストを受け、ベンゲル監督が獲得を熱望したほどの逸材。卓越した得点感覚に加え、184センチの長身と50メートル6秒1の俊足もあわせ持つ本格派ストライカーだ。グルノーブルでは3年半でリーグ戦5試合の出場にとどまったが、バランスの取れた潜在能力は人並みをはるかに越えている。

 清水も高校時代から伊藤を高く評価し、興味を示していた。今季は悲願の「年間リーグ制覇」達成に向け、開幕前にブンデスリーガのボーフムからMF小野を獲得するなど、積極的な戦力補強で、リーグ首位でW杯中断期間に入った。ここまでのリーグ12戦で13得点をたたき出している岡崎、ヨンセン、藤本の強力3トップにフランス帰りの伊藤も加わる。

 [2010年6月11日8時13分

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