【ミラノ(イタリア)4日=波平千種通信員】セリエAチェゼーナから名門インテルミラノに移籍した日本代表DF長友佑都(24)が、入団会見を行った。日本、イタリア合わせて60人の報道陣を前に「しっかりこのチームで試合に出て、世界一になりたい。個人としても世界一のサイドバックになりたい」と宣言した。3日のバリ戦で先発出場した左サイドバックのキブが相手選手を殴り、4試合の出場停止。代わって起用が確実な長友は6日(日本時間7日午前4時45分)のローマ戦(ミラノ)で、世界一への第1歩を踏み出す。

 入団会見から長友はイタリア人の心をわしづかみにした。レオナルド監督、ブランカ技術部長、アウジリオ強化部長とともに壇上に上がると、堂々とイタリア語を披露。「エロ・ソーニョ・ジョカーレ・コン・インテル・アデッセ・レアリツァート(インテルでプレーするという夢がかないました)」と話した。また、すしとパスタのどちらが好きかを尋ねられ「すしかな。でもパスタはもっと好きかな」とリップサービス。拍手喝采で迎えられた。

 もちろん人間性だけが評価されているわけではない。次戦6日のローマ戦では左サイドバックとして先発が決定的だ。長友はインテルの一員として初めてベンチ入りした前日3日のバリ戦では出場機会がなかった。だが後半13分に、長友とポジションを争うDFキブが、相手DFロッシの右顔面を背後から右こぶしで殴打。4試合の出場停止が決定したため、長友に次戦先発の座が舞い込んだ。

 そのバリ戦でも、試合中に味方の得点にガッツポーズを見せ、3-0勝利後には主将サネッティと固く抱き合った長友。次戦ローマ戦に向けては「イタリアに来て半年。その中でレベルの高い試合ができて、確実に成長した自分が見せられるんじゃないかなと思います」と意気込んだ。

 レオナルド監督は長友の加入について「多様な可能性があることが重要」と、戦術的な選択肢が増えたことを歓迎。長友はインテルの本拠地スタジオ・ジュゼッペ・メアッツァでの試合は初めて。「素晴らしいスタジアムというのは昔から知っているし、そのピッチに立ちたくてしょうがないですね」と胸を躍らせた。

 [2011年2月5日9時12分

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