<プレミアリーグ:マンチェスターU2-3トットナム>◇9月29日◇マンチェスター

 マンチェスターUの日本代表FW香川真司(23)が今季2点目を挙げた。ホームのトットナム戦に、リーグ戦2戦連続トップ下として先発。2点を追う後半9分にFWファンペルシーからのスルーパスを受けて左足シュートを決めた。マンUは敗れ、23年ぶりにホームでトットナムに“金星”を献上してしまったが、後半から出場したFWルーニーに引っ張られた攻撃陣は今後に期待を持たせた。

 複雑な今季2点目だった。ゴールそのものは素晴らしかった。1-3の後半9分。香川はFWファンペルシーのスルーパスを、ゴール前の狭いスペースで待った。相手DFに奪われないように、ボールとDFの間に体を入れてパスを受け、そのままくるりと反転し、前を向く。左足シュートがゴール右隅へと決まった。

 「ゴール前で前を向かないと怖さが出ない。そこは意識している」という香川の真骨頂。だが、あとが続かなかった。試合終盤はマンUが圧倒的に攻めながら、そのまま2-3で終了。本拠地オールドトラフォードでトットナムに敗れるのは1989年以来、実に23年ぶりという、金星をプレゼントしてしまった。

 香川個人にとっても心から喜べる内容ではなかった。トップ下で先発も、前半のマンUは攻守ともに全く機能しなかった。簡単に2点を先行され、業を煮やしたファーガソン監督が、後半開始からMFギグスに代わり、負傷明けのエース、ルーニーを投入。ルーニーは本来のFWの位置ではなくトップ下へ下がり、香川は左MFへ追いやられた。

 しかし、これが反撃の合図だった。ルーニーは右に、左に、前後にと目まぐるしく位置取りを変えて攻撃を組み立てた。右クロスでMFナニのゴールも演出。リーグ戦では4試合ぶりとなる香川、ファンペルシーとの競演で期待通りのプレーを見せた。ファーガソン監督も「後半は素晴らしかった。勝ち点を取れてもおかしくなかった」と喜んだ。

 次戦は2日の欧州チャンピオンズリーグ1次リーグ・クルージュ(ルーマニア)戦。そして7日のリーグ戦ニューカッスル戦と試合は続く。ファーガソン監督が再び香川をトップ下で起用するのか。それとも日本代表でCSKAモスクワ本田に譲っているように、香川はマンUでもルーニーに「定位置」を明け渡すのか。注目が集まる。