<データdeW杯>

 14年大会の「死の組」は、優勝経験のあるイタリア、イングランド、ウルグアイの3カ国が入ったD組(残る1カ国はコスタリカ)。1次リーグで優勝経験2カ国が同組は過去に8度あったが、3カ国は今大会のD組が史上初めてになる。

 優勝経験国同士が1次リーグで対戦したのは過去に8試合。うち6試合が引き分けというデータが残る。8戦のスコアは、0-0が4試合、1-1が2試合、1-0が2試合。両軍合計3得点以上の試合は1度もなく、点の取り合いは望めないようだ。

 史上初のタイトル保持国同士の対戦となった62年大会の西ドイツ-イタリア戦は象徴的。お互い守備的に戦い、両軍無得点のまま終了した。引き分けで勝ち点1を得る1次リーグでは、「勝ちたい」というよりは「負けたくない」という心理が働くのかもしれない。

 今開催は優勝経験8カ国がすべて出場する史上初のW杯。その「BIG8」にとってのW杯本番は、引き分けのない決勝トーナメントの終盤からといえるが、3カ国のうち少なくとも1カ国が脱落する今大会のD組は、これまでと違って“予選”から熱戦が期待される。【石川秀和】