マンチェスターUのMF香川真司(25)が、今夏の駆け込み移籍を決断する可能性が高いことが28日、分かった。スペインの名門バレンシアが獲得に乗り出していることが判明。古巣ドルトムントも、出場機会のない香川の受け皿として復帰させる用意がある。香川サイドは既に、移籍に向けた準備を進めているといい、近日中に移籍先を決断する方向になった。

 欧州主要リーグの夏の移籍市場は、現地時間9月1日まで。12年7月に4年契約でマンU入りした香川は、あと2年契約を残している。現在は水面下で交渉が進行中。バレンシア側とは、マンU入りしたアルゼンチン代表MFディマリアの代理人が間に入って交渉。ドイツのキッカー誌は28日付で、中盤に故障者が多いドルトムントのクロップ監督も、香川の復帰を望んでいると伝えた。1日までに移籍金を含めた交渉が成立すれば、駆け込み移籍が実現する。

 香川はこの日、発表になった新生日本代表メンバーからも漏れた。公には26日のリーグ杯・ミルトンキーンズ戦で脳振とうを起こしたことが原因とされているが、移籍準備も考慮された模様だ。日本協会の原専務理事は「ケガの内容、細かいことはドクター同士で話をしている。ここで細かく言うことはできない」と説明。アギーレ監督は香川について「プレースタイルを考えるとスペインでもやれると思う」と明かした。

 一時は残留を決断しながら、リーグ開幕直後にファンハール監督から事実上の構想外通告を受けたことで退団を視野。週明けの移籍締め切りまで、予断は許されない状況になってきた。