[ 2014年2月4日8時39分

 紙面から ]菊池萌水は、菊池神社のお守りをソチに持ち込んだ

 ソチ五輪スピードスケート代表の菊池彩花(26=富士急)、ショートトラック代表の菊池萌水(21=早大)姉妹に強力な援軍が現れた。先月の壮行会に「菊池」つながりで祝電を送った熊本県菊池市の江頭実市長が3日、入賞した場合は同市に特別招待することを約束した。また、姉妹にお守りを贈った同市の菊池神社、「全国菊池の会」など日本中の“菊池さん”が、2人の活躍に声援を送る。

 きっかけは3通の祝電だった。1月13日、菊池姉妹の地元の長野県南相木村で行われた壮行会で、熊本県菊池市の江頭市長からのメッセージが読み上げられた。「菊池市、5万1000人を挙げて応援します。がんばれ、2人の菊池さん!」。ざわつく会場で、菊池神社の坂本宮司からの祝電が続く。「一族が五輪に出場されるということで、冬季五輪にはあまりなじみのない南国熊本で今、種目を勉強しております」。

 沸き返る会場の中、とどめは「全国菊池の会」だった。「会員一同、親族のように晴れの舞台でのご活躍をお祈り申し上げます」。人口1108人の村の公民館は「菊池」の連続に温かな笑顔があふれた。姉妹の五輪出場の快挙を伝えたのは長野に住む同会の会員、菊池義次さん。南北朝時代に活躍した武将の祖先が祭られている菊池神社に報告。“菊池ネットワーク”によって、市長の耳にも吉報が届いてのものだった。

 同神社の宮司禰宜(ねぎ)・戸高氏は「ご先祖様も、活躍をお祈りしていると思います。昔は武の戦いでしたが、今はスポーツという形で世界を舞台に戦っている。世界に菊池をアピールしていただきたいですね」と活躍を期待した。

 菊池市もビッグなプレゼントを計画中だ。江頭市長は「入賞したら秋頃に予定している第1回菊池一族シンポジウムか、4月(3、4日)に開催予定の全国桜のシンポジウムにゲストとして招待したい」と約束。パブリックビューイングも検討中という。熊本から7600キロ以上離れたソチで、強力な援軍を味方にした菊池姉妹が「世界のKIKUCHI」を目指す。【奥山将志】