世界ユース(17歳以下)選手権短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(16=東京・城西高2年)が、男子200メートルで初優勝した。

 向かい風1・5メートルの決勝で20秒82でフィニッシュ。自己ベストの20秒34には及ばなかったが、世界選手権北京大会(22日開幕)で出場確実な得意種目で、高校総体初タイトルをつかんだ。北京では究極の目標である100メートルの世界記録へ、第1歩を踏み出す。

 有言実行の初優勝だ。サニブラウンが、コーナーを抜けて加速した。「負けちゃあ、まずいです」と表現した200メートル決勝。身長187センチのストライドでフィニッシュ。「200メートルは自分の専門。勝たなきゃいけないプライドもあった」。

 レースではサングラスを着用した。高校生では珍しいが、指導する山村監督の「いいものは取り入れる」という方針もあり使用。サングラスを提供するオークリー社の関係者は「強い日差しが目に入ると、僧帽筋(背中の一番表層にある筋肉)が張って余分な力が入る」と説明。この日は世界ユース選手権2冠達成時の青色のものを使い「縁があるので」とにっこり。猛暑の和歌山で4日間9レースを完走して初Vで締めた。

 次は世界選手権に向かう。200メートルと400メートルリレーで出場の可能性がある。「出るからにはトップと走りたい。ボルトさんにはまず見た目で圧倒されるだろうけど。いい経験をして今後につなげたい」。将来の目標は9秒58の100メートル世界記録更新。「持つなら大きな目標がいい。ボルトさんを超えられたら」。夏休みの宿題は「まだもらってない。もらわない方向でいきたい」とおどけた。でっかい夢の第1章は、北京から始まる。【益田一弘】