リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルの飯塚翔太(25=ミズノ)が来季100メートル戦線に殴り込みをかける。最終種目の陸上成年少年男子共通400メートルリレーは、静岡のアンカーを務めて40秒07の3位で今季を終了した。来年は本職の200メートルでトップスピードを上げるため、100メートルに本格参戦する。同じ銀メダルメンバーの桐生、山県、ケンブリッジに食らいつき200メートルの実力アップにつなげる。

 さすがに届かなかった。飯塚は、5番手でバトンを受けた。静岡の連覇へ、2人を抜いて前を追う。だが愛知のアンカーで自己記録10秒19の長田に及ばず。愛知、福岡に次ぐ3位に終わり「悔しいですね」と苦笑い。今季のレースを終えて、早くも来季を見据えた。

 「来年は100メートルに積極的に出ていきたい」

 本職は200メートル。自己記録20秒11は日本歴代2位だ。だが、リオ五輪では前半を抑えすぎて20秒49で予選敗退だった。400メートルリレーでエース区間の2走を務めて銀メダルを獲得したが、個人種目では不完全燃焼だった。

 100メートルの自己記録は、3年前に出した10秒22。「トップスピードを上げたい。(五輪参加標準記録の)10秒16ぐらいはいきたい」と、目標のタイムも設定済みだ。

 ちょっぴり心残りもある。五輪後は「銀メダリスト対決」を熱望。だが4人で唯一、200メートル専門だけに機会がなかった。今大会も東京の4走ケンブリッジについて「アンカー勝負やりたいですね。がちゃがちゃと競り合いたい」と腕まくりしていたが、東京の準決勝敗退で幻に。飯塚が100メートルに参戦すれば、メダリスト対決も実現する。

 来季の目標は、ロンドン世界選手権で200メートルの決勝進出と400メートルリレーのメダル。「(100メートルの)3人に食らいついていけるようにしたい」。桐生、山県、ケンブリッジの争いに、「和製ボルト」が殴り込みをかける。【益田一弘】