<陸上:釧路湿原マラソン>◇31日◇北海道釧路市

 陸上世界選手権(27日開幕、韓国・大邱)男子マラソン代表の川内優輝(24=埼玉県庁)が、異例の週末避暑地トレで本番に臨む。本番前最後の調整となる釧路湿原マラソン30キロの部に出場。1時間33分55秒で、昨年4月以来の市民マラソン優勝を果たして「想定した1時間40分よりもはるかに速い。最後にばっちり。100点です」と笑顔で話した。

 実業団に所属しない市民ランナーの星は、残る1カ月も庶民派らしい調整法を選んだ。同じ代表の尾田(トヨタ自動車)が北海道、堀端(旭化成)と中本(安川電機)が九州に、拠点を構えて合宿を張る中、平日は仕事のため週末だけ避暑地に行く。今週末は山梨・河口湖、翌週からは栃木・日光を転戦する。「市民ランナー仲間から良いと聞いたので。気温も24度ぐらいだそうです。自宅(埼玉)からも近いですしね」。

 この日のスタート直前、周囲からの握手攻めにも気軽に応じた。試合前日に必ず験担ぎで食べるカレーは、教わった店舗が閉鎖されていたため、何とか探した駅前のそば屋のカレーそばでしのいだ。「大邱には日本からレトルトカレーを持って行きます」。市民ランナーの感覚で、川内は世界に挑む。【今村健人】