日本陸連は25日、東京都内で世界陸上(8月10日開幕、モスクワ)のマラソンと競歩の代表を発表した。最大5枠の女子マラソンは、内定していた木崎良子(27=ダイハツ)のほか、福士加代子(31=ワコール)、野口みずき(34=シスメックス)の3人だけが選ばれた。

 低迷する女子マラソン陣に、日本陸連がカンフル剤を打った。97年アテネ大会で代表枠が3から5に増えて以降、男女とも前回まで8大会連続で5人枠をフル活用。尾県専務理事は「(五輪で)2大会連続で惨敗している。引き締め。入賞を狙うレベルでないと選考されない、と示すもの」と説明した。

 選考はこの日午前に始まり、強化委員会が原案を作成。外部有識者を含む原案策定会議を経て理事会で決まった。同会議や理事会で3人にとどめたことへの異論はなかったという。厳しい選考だが、昨年11月の横浜国際の直前に監督らが集まった席で、女子中長距離・マラソンの武冨部長が「5人ありきではない。世界を戦う5人を選ぶ」と説明したという。また、2年後の世界陸上、3年後のリオ五輪に向けては「より速く強い選手を選ぶ基準を策定中」(同専務理事)という。

 ◆世界選手権マラソン代表選考

 代表枠は男女とも最大5。日本陸連指定の国内選考会で派遣設定記録(男子は2時間7分59秒、女子は2時間23分59秒)以内で走れば代表候補となり、日本人1位は自動的に代表となる。選考会は男子が福岡国際、東京、びわこ毎日、女子は横浜国際、大阪国際、名古屋ウィメンズ。ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティー、ボストン、ロンドンの海外マラソンで派遣設定記録に到達しても代表候補となる。代表候補がいない場合は、男子は別府大分毎日、女子は北海道を加えた国内4大会の日本人3位以内から選ぶ。