陸上男子100メートルで日本初の9秒台を狙う桐生祥秀(17=洛南高3年)に、白人選手初の9秒台スプリンター、クリストフ・ルメートル(23=フランス)と合体トレを行う計画があることが19日、分かった。日本陸連が来年2月にも、パートナー協定を結ぶフランス陸連と短距離陣の合同合宿を計画中。日本陸連の原田康弘強化委員長は「フランスでやりたい。せっかく(5月に)協定を結んだので生かしたい」と話した。

 桐生にとって、絶好の機会だ。ルメートルの自己ベストは9秒92。特有の瞬発力を持つ黒人選手以外で初めて9秒台に突入したルメートルの一挙手一投足が最高の教材だ。意見交換することで日本初の快挙に向けたヒントをつかむこともできる。

 合同練習の参加メンバーは、日本陸連が新設する日本代表リレーチームがベース。桐生、山県、飯塚らが軸で、来年3月の世界室内選手権(ポーランド)の前にフランスに乗り込んで、タッグを組む計画だ。

 桐生はこの日、日本ジュニア・ユース選手権の100メートルを回避し満を持して今日20日の200メートルに臨む。

 ◆クリストフ・ルメートル

 1990年6月11日、フランス生まれ。20歳だった10年7月のフランス選手権で白人選手で初めて10秒の壁を破る9秒98をマーク。自己記録は9秒92。11年世界選手権大邱大会は100メートルで4位、200メートルで銅メダル獲得。189センチ、74キロ。