<陸上:第8回岩壁杯陸上競技対校選手権大会>◇13日◇東京・八王子

 上柚木公園陸上競技場

 有言実行の1発回答だ!

 陸上男子短距離の桐生祥秀(18=東洋大1年)が大学デビューを果たした。男子400メートルリレーに3走で出場。39秒69で2位に入り、東洋大記録更新に貢献。入学式で誓った「大学への恩返し」を早速、デビュー戦で実行してみせた。

 やっぱりモノが違う。バトンを受けた時は4、5番手。難しい曲走路を爆走する桐生の姿に会場から、どよめきが起こる。昨年から体験するアンダーハンドパスは渡す際に多少、詰まり気味。それも圧倒的な走力でカバーした。トップの中大とほぼ同時にパス。優勝の中大に0秒30及ばずも、0秒30更新する東洋大記録は間違いなく、スーパールーキーがもたらした。

 レース前に先輩らと「東洋大記録を超そう」と話して臨んだ一戦で有言実行。6日の入学式で「結果を出して大学に恩返ししたい」と誓ったのは「9秒台」を意識しての言葉だっただろうが、まずは大学記録で恩返し第1号。「ボチボチいいスタートを切れました」と笑みを浮かべた。

 この日は「起きた瞬間から頭が痛くて20分ぐらいゴロゴロしていた」という。会場入り後も花粉症からか「はなが出て」ムズムズ状態。それでも初体験の大学の大会を「応援とか、めっちゃ盛り上がって楽しかった」と雰囲気を満喫した。走り同様、新たな環境にとけ込む順応性もピカ一の速さ。20日には今季100メートル初戦の出雲陸上を控える。「タイムを狙いたい」という29日の織田記念に向けた前哨戦で、いよいよ9秒台への本格挑戦が始まる。【渡辺佳彦】