国際自転車連合(UCI)の独立改革委員会は9日、過去のドーピング問題に関する調査報告書を公表し、薬物違反でツール・ド・フランス7連覇のタイトルを剥奪されたランス・アームストロング氏(米国)について、当時のUCIがドーピング疑惑を認識しながら同氏を優遇して徹底的な調査を怠ってきたと指摘した。

 報告書はUCIから独立した機関がまとめたもので227ページに及び、174人の選手や指導者ら関係者から対面式で事情聴取を行った。当時UCI会長だったハイン・フェルブルッゲン氏ら当時の幹部が薬物使用の疑いを把握しながら、自転車界への打撃を懸念して事実を隠した疑いがあるとしている。「90%が今もドーピングをしている」とする証言もあった。

 永久追放されたアームストロング氏は当時の薬物使用を認めている。