<自転車:ツール・ド・フランス>◇第15ステージ◇20日◇タラール〜ニーム◇222キロ

 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー=カチューシャ)がゴール直前で逃げをつかまえた集団スプリントを制し、第12ステージに続く2勝目を挙げた。ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)はトップと同タイムの31位でゴールし、マイヨジョーヌ(総合1位)を守った。

 スタート直後にスイスチャンピオンのマルティン・エルミガー(IAM)とジャック・バウアー(ニュージーランド=ガーミン・シャープ)の逃げが決まった。2人は220キロを以上を逃げ続け、残り1キロでは13秒差と逃げ切るかに見えた。しかし、ゴール手前100メートルでエルミガーがつかまり、最後まで粘ったバウアーもフィニッシュライン寸前で飲み込まれた。

 ゴール前スプリントでは最後に伸びたクリツォフがトップでフィニッシュラインを通過。2位にハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ=IAM)、3位にペーター・サガン(スロバキア=キャノンデール)が入った。

 10位となったバウアーはゴール後、涙を押さえきれなかった。「自転車選手、特にニュージーランドの選手にとってツールでステージ優勝することは夢だ。プロになる選手も少ないし、ツールのスタートラインに立てる選手も多くない。全力を出し切ったが、最後の50メートルでダメだった。本当に残念だ」。

 勝ったクリツォフは「逃げた2人は残念だったが、同情はしない。通常、逃げにはチャンスはないものだ。でも彼らはやり遂げた。強かった。厳しいレースだったよ」と話した。

 新城幸也(ヨーロッパカー)はトップと同タイムの44位で、総合は2時間12分51秒遅れの79位。