<高校総体:陸上競技>◇4日◇岩手県北上市

 男子1500メートル決勝で、吉田将平(福島・いわき総合3年)が3分48秒53の自己ベストで4位に食い込んだ。3位と0秒12差で、惜しくも表彰台を逃したが、前日3日の予選から2レース連続で自己記録を更新。今日5日から始まる800メートルの決勝進出にも意欲を見せた。

 吉田が果敢に勝負を挑んだ。レース序盤から、今季高校ランク首位の戸田(東京農大二3年)をマーク。一時は2位で追走したが、残り300メートルからの仕掛けに対応できず、4位に食い込むのが精いっぱいだった。残り100メートルで1人を抜いたが、0秒12差で3位に届かなかった吉田は「悔しい。イメージ通りでしたが、ラストのスタミナもスピードも足りませんでした。もっと鍛えなければ」と潔く振り返った。

 2日連続の自己記録更新で、決勝に出場した東北勢3人に先着。東北王者の立場は死守した。だが、「(3分)45秒を狙っていたので」と、再度悔しさをにじませた。震災後、学校は4月下旬まで休校になり、1カ月以上、いわき市の自宅周辺で自主練習をこなした。例年に比べて練習不足は否めない。だが原発事故の影響についても「まったく気にしていません。自分の努力不足です」と気丈に話した。

 今日5日からは、昨夏予選落ちした800メートルが始まる。高校駅伝でもエースと期待される吉田は「800でも決勝に進みたい。(駅伝では)1区を走って勝ちたい」と闘志を燃やした。【佐々木雄高】