<高校総体:柔道>◇12日◇秋田・秋田県立武道館◇女子52キロ級決勝

 柔道女子では52キロ級でカナダ国籍も持つ松商学園(長野)出口クリスタ(1年)が初制覇した。

 女子52キロ級に新星が誕生した。カナダ人の父と日本人の母を持つ松商学園・出口クリスタが、1年生で頂点に立った。女子で外国籍を持つ選手が優勝するのは大会史上初になる。

 準々決勝までの4試合を一本勝ち。ともえ投げ、横四方固め、腕ひしぎ十字固め、大内刈りと、技のバリエーションが光った。準決勝と決勝は優勢勝ちだったが内容は圧倒していた。山口泰志監督(50)は「技の種類も多いし寝技もできる。1年で優勝しちゃうとは。今後が本当に楽しみ」と将来性を評価。出口は「初めての全国優勝だからうれしい」と愛らしい笑顔を見せた。

 3歳から長野誠心館道場で柔道を始め、抜群のパワーとスピードを持ちながら、昨年まで最高成績は全国中学校大会3位。急激に成長した要因を出口は「今まで自分のために柔道をやってきたけど、高校の部活で周囲の温かさに気づいた。みんなのために勝とうとがんばれた」と分析した。

 精神面の成長で才能を開花させた。160センチの身長も伸びていてさらなる進化が期待される。女子柔道界のホープとなった15歳は「気を抜かず気持ちを切り替えます。カナダか日本かは分からないけど、オリンピックに出たい」と意欲をみせた。【豊本亘】