ロードレース世界選手権モトGPクラスにホンダ・グレシーニ・チームから参戦していたマルコ・シモンチェリさん(24=イタリア)が23日、マレーシアGP(セパン・サーキット)の決勝レース中の事故で死亡した。2周目の11コーナーで転倒し、後続の2台が衝突した。シモンチェリさんはヘルメットが外れ、コース上に横たわる危険な状態で、サーキットの医療センターに救急搬送されたが、午後4時56分(日本時間同5時56分)に死亡が確認された。イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルト(電子版)は、医療センター到着時には心停止していたと伝えている。レースは事故を受け、中止された。同クラスに日本人で唯一参戦する青山博一(29)は事故には関係していない。

 同選手権の最高峰クラスでは、03年の日本GPでの加藤大治郎さん(享年26)以来の死亡事故。昨年9月にはモト2クラスで富沢祥也さんが19歳の若さで事故死した。シモンチェリさんはイタリアでV・ロッシ(ドゥカティ)に次ぐ人気選手で、同国ではサッカーのセリエAなど同日に行うすべてのスポーツイベントで同選手を悼む黙とうを行う。モータースポーツ界では、16日に米ネバダ州ラスベガスで行われたインディカーの決勝レースでも死亡事故が起きていた。

 ◆マルコ・シモンチェリ

 1987年1月20日、イタリア・カトリカ生まれ。15歳だった02年にロードレース世界選手権125ccクラスにデビュー。06年に250ccクラスに昇格し、08年には年間総合王者獲得。同クラスでは現在チームメートの青山博一とライバル。10年に同時にモトGPクラスに昇格。今季はポールポジションを2度、8月のチェコGPでは3位で初表彰台、前戦のオーストラリアGPで自己最高の2位を記録した。アフロヘアが特徴。183センチ、76キロ。