テニスの錦織圭(25=日清食品)が、20年東京五輪のメダルを狙う。錦織は13日、都内で日清食品との所属契約更新の会見に出席。20年末まで長期契約に「5年後が楽しみ。メダルをとれるように頑張りたい」と話した。6月のウィンブルドンは2回戦で負傷棄権したが、左ふくらはぎ筋膜炎からの回復も順調。8月31日開幕の全米オープンを前にさらなる飛躍を誓った。

 5年間の長期契約に、錦織は「20年を楽しみにしています。日本で行われる五輪で、自分も気合が入っています」と言った。5年後は30歳。「(選手として)いい時。いい結果を残し、メダルをとれるように頑張りたい」と言い切った。

 テニスは、4大大会を中心とした個人戦が基本。錦織も「もちろん、グランドスラムはありますが」と前置きした。それでも国を代表する魅力は別。「いつものツアーとは違った雰囲気と環境で刺激になる」。自国開催なら、五輪への思いはさらに強くなる。

 来年のリオデジャネイロ五輪も「出るからにはメダルを狙う」と話すが、ウィンブルドンと全米オープンの間で、体力面の不安もある。「もう少し、体とメンタルを強くしないと」と先を見据えて話した。

 錦織との所属契約をこれまでの3年から5年にしたことについて、日清食品の安藤宏基CEOは「長期にわたって、頑張ってほしいから。(20年が)五輪イヤーだということもある」と説明した。地元五輪でのメダルを期待しての契約だ。

 この日発表された世界ランクは5位のまま。「3月ごろはトップ10にいるのがもどかしくて、キープしなければという気持ちが強かった」と話す。しかし、今は「1位を狙える位置にいる。挑戦を楽しみたい」と思えるようになった。

 1920年のアントワープ五輪でシングルスの熊谷一弥、ダブルスの熊谷と柏尾誠一郎が獲得した銀メダルは、日本選手の初メダルだった。「これから5年でトレーニングを積み重ねて強くなれる」という錦織が20年東京五輪でメダルを獲得すれば、ちょうど100年後になる。【荻島弘一】