安倍晋三首相は17日、官邸で2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員長の森喜朗元首相らと会談した後、取材に応じ、大会のメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画について「白紙に戻し、ゼロベースで見直す」と表明した。森氏の了解も取ったという。

 「国民や、アスリートの声に耳を傾け、1カ月前から、見直しができないか検討していた。(大会までに)間違いなく完成できると確信したので、決断した」と述べた。白紙見直しに理由については、「大幅にコストが膨らんだことで、国民やアスリートの批判が出た。国民に祝福される大会でなければならない」と述べ、国民の大きな批判が背景にあることを認めた。現在の整備費2520億円からのコスト削減にも、努力する意向を示した。

 19年に同所で開催される予定だったラグビーW杯は「残念ながら、間に合わせることはできず会場として使うことはできないが、今後も、国として、しっかり支援していく考えに変わりはない」と述べた。