モスクワで開催されているフェンシング世界選手権で、男子フルーレ個人の太田雄貴(森永製菓)が日本勢で史上初の世界一となった16日、現地で見守った日本代表の関係者たちは歓喜に酔いしれた。

 決勝ではポイントが入るたびにそれぞれが一喜一憂し、太田の金メダルが決まると一様に表情を崩して喜んだ。太田が個人の銀メダルを獲得した2008年北京五輪で監督を務めた日本協会の江村宏二強化副本部長は「常に平常心で気持ちも安定している感じがした。彼が(上位まで)勝っているときのオーラが出ていた」と目を細めた。

 太田を長く指導するウクライナ出身のオレグ・マツェイチュク・コーチは「本当にうれしい。ユウキは勝ちたいという気持ちがとても強かった」と感慨に浸り、東伸行強化本部長は「ジュニアの子たちにも、やればできるんだとすごく励みになったと思う」と話した。