自動車のF1シリーズは29日のアブダビ・グランプリ(GP)で今季が終了し、23年ぶりにコンビを復活させたマクラーレン・ホンダはシーズンを通して低迷し、製造者部門で10チーム中9位に沈んだ。

 エリック・ブーリエ・レーシングディレクターは「素晴らしいシーズンだったとは言えないが、ライバルとの差を埋める努力を続けるしかない」と総括した。

 全19戦でポイント獲得(10位以内)は5戦にとどまり、元王者のジェンソン・バトン(英国)とフェルナンド・アロンソ(スペイン)がそろって完走できたのも9戦だけ。ドライバー部門で年間16、17位という屈辱的な結果に終わった。

 7年ぶりに復帰したホンダのパワーユニットは開発が遅れ、序盤の苦戦は想定内だったがその後も展開は変わらなかった。最終戦12位で「今季最高のレースができた」と言うバトンは「今から来年が楽しみだ」と前向きに話し、アロンソも「すぐに来週から2016年の準備が始まる」と切り替えた。

 昨季に続いてメルセデスが16勝と独走して盛り上がりを欠き、12戦で1、2位フィニッシュしたルイス・ハミルトン(英国)とニコ・ロズベルク(ドイツ)の強さだけが際立った。F1人気回復のためには、来年こそ名門マクラーレン・ホンダの完全復活が期待される。