女子シングルスでは大会史上6人目の中学生本戦出場を目指した富岡一中3年の水井ひらりは、予選1回戦で桜本(ヨネックス)に0-2で敗れた。第1ゲームを5連続ポイントでリードする好スタートを切ったが、体育館独特の風に悩まされ、中盤で11-11と追いつかれ逆転負け。第2ゲームも6-13とリードを許し、終盤に6連続ポイントで追い上げたが及ばなかった。

 試合後の水井は、汗をぬぐいつつ「ライト(照明)がまぶしかったり、風でシャトルが流れたり、やりにくかったです」と、率直に試合の感想を漏らした。「中学生相手だと決まる球が、大人だと決まらないと感じました」。指導する斎藤亘監督は「こういう経験はなかなかできませんから」と、社会人相手に接戦を演じた水井をねぎらっていた。

 会場には奈良から母妃佐子さんも応援にかけつけた。妃佐子さんはバドミントンでバルセロナ五輪、アトランタ五輪ともに16強に入った実力者。また、同大会シングルスを1993年(平5)から3連覇するなど計4回制している。愛娘の姿に「まだ若いですし、こういう大舞台で社会人相手に試合ができて、良かったと思います」と、試合後に顔を合わせて笑い合った。

 水井は目標として「五輪でメダルを取りたいです。東京五輪で取りたいです」と、小さいながらもはっきりと口にした。そんな言葉を聞いて妃佐子さんは「立派ですね、きちんと自分の考えを言えるのは」と、目を細めていた。