日本を代表する快足ウイングの初対決が実現する。ラグビーのトップリーグ(TL)と大学の王者が一発勝負で対戦する日本選手権は明日31日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。TL3連覇のパナソニックと大学選手権7連覇の帝京大は29日、それぞれ先発メンバーを発表。帝京大のWTB竹山晃暉(1年)は、右足首痛から先発に復帰するパナソニックのWTB山田章仁(30)との直接対決に心待ちにした。

 竹山はパナソニックの先発メンバーを確認すると、目を輝かせた。冷たい雨が降る中、傘もささずにクラブハウスを飛び出し、熱い気持ちをぶちまけた。「14番、山田さんですね」。大学選手権の1大会のトライ記録を「12」に塗り替えた1年生は大胆にも「山田さんはライバル視していました」と宣戦布告。トイメンでの対決に「W杯でトライを決めた方ですし、奥様もかわいいと思っていた。ワクワクしています。しっかり意識して楽しみたい」と笑みを浮かべた。

 今季の日本選手権は19季ぶりの一発勝負だ。昨季の帝京大は1回戦でTLのNECを撃破し、準々決勝で東芝に敗れた。目標設定を「打倒TL」から「日本一」に変更。竹山も「僕も入学してから1年間、そこを目指してきた。帝京大だけが得た挑戦できるチケット。どれくらい通用するのかを試すことができる貴重な場」と言い切った。

 この日は東京・日野市内のグラウンドでサインプレーの確認など約3時間の調整。「勝つためには僕がトライを取らないとダメ。忍者トライもチームとして守る。どちらもイメージはできています。僕も(山田さん同様)目立ちたがり屋なので、積極的にいきたい」と強気な言葉を続けた。19年W杯日本大会の期待の星が有言実行の大金星に挑む。【鎌田直秀】