女子100メートル自由形で東京・小岩第四中3年の池江璃花子(15=ルネサンス亀戸)が53秒99の日本新記録で制し、50メートルと200メートルの自由形、100メートルバタフライに続き4冠に輝いた。従来の日本記録を100分の1秒更新し、日本人女子初の53秒台に突入。池江の日本記録は100メートルバタフライに続き2個目になった。

 泳げば泳ぐほど記録が伸びる。「(大会で)ベストが出ないと納得できない」と話す15歳の池江は、今大会最後の種目の100メートル自由形を53秒99という日本記録で自己ベストを更新。日本人女子初の53秒台にゴール後は「驚きで涙が出た」としばらく水面に顔を伏せた。

 地獄のグアム合宿の成果だ。10月に2週間行くと同月下旬のW杯100メートルバタフライで日本記録。年末年始に2週間行った今回も100メートル自由形で、2つ目の日本記録をマークした。グアムでは携帯電話をコーチに預けて水泳に集中。100メートル×20本を全力で泳いでスタミナを強化した。「日焼けをする。大人になって染みになるからいや」と言いながら猛練習に耐えた。

 目標は100メートル自由形、バタフライの個人種目で五輪代表に入ること。世界レベルが高い100メートル自由形はこの日の日本記録より0秒18速い53秒81が派遣標準記録だ。4月の日本選手権でそのタイムを切る必要があるが「自分は本番で強いタイプ」と怖いものはない。【田口潤】

 ◆池江璃花子(いけえ・りかこ)2000年(平12)7月14日、東京都生まれ。3歳10カ月で水泳を始める。昨夏の世界選手権は、中学生として14年ぶりに代表入り。400メートルリレーと800メートルリレーでリオ五輪出場枠獲得に貢献。167センチ、54キロ。