フィギュアスケートの世界選手権で男子の羽生結弦(ANA)が30日、ショートプログラム本番を控えたボストンの練習リンクで自身の曲をかけた練習中、デニス・テン(カザフスタン)に進路へ入られ、緊張が走る場面があった。

 テンのマナー違反は明らかで、羽生陣営は日本スケート連盟にテン側への注意喚起を要請、連盟の小林芳子フィギュア強化部長は「適切に対処する」と話した。

 29日の練習でも、2人は進路が重なる場面があった。過去にも同様のケースがあったといい、ショートプログラム後に羽生は「ビデオでも見たけど、あれはたぶん故意だと思う。ただ、そういうことで怒ってしまった自分に対して駄目だなと思っている」と話した。

 曲をかけた練習では、周りの選手は進路を譲るのが礼儀だが、テンがリンク中央でスピンを続け、羽生の進路を妨害する形となった。羽生は「それはねえだろ、おまえ」と声を荒らげ、直後のジャンプで転倒すると壁を強くたたいた。