2020年東京五輪・パラリンピックの大会準備や運営の経費が当初の試算から大幅に膨らむ懸念が出ている問題で、大会組織委員会の森喜朗会長は31日、東京都の舛添要一知事、遠藤利明五輪相と会談し、費用負担の枠組みの具体的な見直しに向け、実務者で協議を始めることで合意した。

 競技会場の整備で招致段階では新設は都、仮設は組織委が担うとしていたが、再検討で都の負担は増え、税金がさらに投入される見通し。建設資材の価格高騰やテロ対策強化など新たな出費で組織委の資金不足が想定されることから、森会長は「組織委の収入はおおよそめどがついている。役割分担について見直しを進めようというのが組織委の提案」と述べた。

 都は既に仮設会場の「有明体操競技場」(江東区)の費用を負担する方針を明らかにしている。舛添知事は「招致段階からさまざまな変化があった」と理解を示した上で「実務者が議論した方がいい」と提案。遠藤五輪相も「一緒になってやっていきたい」と応じた。

 森会長は今後、組織委の収支見直しを行う時期がくるとし「それまでに何らかの答えを出していただければ」と求めた。

 森会長は29日のBSフジ番組で「5千億円以上の収入は組織委にはない。5千億円の中で仕事をしなければいけない」と述べた。招致段階で予算を約3千億円とした試算がずさんだったことも問題だと指摘していた。