大接戦を制したのは、1月までは絶不調の渡部香生子(19=JSS立石)だった。

 昨夏の世界選手権で200メートルを制し、五輪に内定。だが周囲から金メダルを期待される重圧は想像を超え、水泳が嫌いになった。昨年9~12月は思うような練習ができず、1月の都選手権は100メートル、200メートルともに4位とどん底に落ちた。竹村コーチ、家族、友人ら周囲の励ましで気持ちを切り替えられたのが2月で、復調を実感したのは3月中旬。「正直金メダルを取ってから、つらいことが多かった。諦めないで良かった」とホッとしたように言った。