バドミントン男子シングルスでリオデジャネイロ五輪のメダルを期待されていた桃田賢斗(21=NTT東日本)が違法カジノ店に出入りしていた問題を受け、故郷香川の父、恩師、バドミントン関係者らは複雑な心境を吐露した。

 香川・三豊市に住む父信弘さん(51)に直接連絡はなく、7日朝に報道で息子の状況を知ったという。「真摯(しんし)に受け止め、心を改めてほしい」。カジノ店に出入りしていたとみられる14年末ごろ、夜遊びに興じているうわさは耳に入ったが「それでつぶれたらそれまで」と、あえて言葉はかけなかった。違法なギャンブルをしている状況とは知らなかった。「あの時は、お金をどう使っているか把握していませんでした」と話した。

 小学生時代に桃田を指導した高松市「香川バドミントンスクール」の吉川和孝さん(65)は「人生経験があれば分かることですが、当時は社会人になったばかりの子ども。いいか悪いか判断が出来ていなかったのだと思う」とおもんぱかった。2年前の冬に香川に帰郷した時には「体形がぼてっとしてバドミントン選手の体ではなかった。パチンコや飲酒などとは思ったが、カジノなど思いもよらなかった」と振り返った。「田児選手は、桃田にとって憧れの選手。上下関係もあるし、もし誘われたのであれば断れなかったのでは」。

 バドミントンのある関係者は「2人とも昔からやんちゃだった。悪気なく、夜遊びの延長だったのだろう」と話す。だが、その上で「ちゃんと監督していれば、こんなことにはならずに済んだ」と周囲にも問題があることを指摘した。【高場泉穂】