「空のF1」とも呼ばれる小型プロペラ機によるレッドブル・エアレースが行われ、唯一の日本人パイロットの室屋義秀(43)が日本人で初めて優勝した。

 エアレースは最高時速370キロに達する飛行機で、旗門を通過しながら速さを競う。今大会には14人が参加。室屋は1対1で対戦する1回戦、準決勝を勝ち抜き、4人で争う決勝で最速の1分4秒992をマークした。

 5万人の観衆の前で優勝した中大航空部出身の室屋は「操縦技術世界一ということを目指してやってきた。届きそうで届かない、1番というのは難しい世界。25年かけてやっととれた」

と感慨に浸った。福島を拠点にしており、「福島で練習させてもらって、地元の協力があって初めてトレーニングが出来る。日々お世話になった空にその恩返しがほんの少しでも出来たならいいなと」と話した。

 表彰台では目を閉じて君が代を聞き「君が代を聞くイメージはいろいろ作っていたが、初めて本当に聞いたので、かみしめて聞いていた」と振り返った。「昨年の千葉大会ではコースレコードを出し、今日が人生で一番いい日と言っていたが、今日この日は?」と聞かれると「最高の日をひとつ更新したかな。また新たな最高の日を過ごさせていただきました」と話した。

 レッドブル・エアレースは今季は全8戦。今後について聞かれると「16年は総合成績で3位以内に入るというのがチームの目標。残り5戦、長いシーズンなので10月末まで闘い抜けるだけのチーム体制、トレーニングを確実に積んで進んでいきたい」と話した。