リオデジャネイロ五輪女子ダブルス金メダルの高橋礼華(26)、松友美佐紀(24=ともに日本ユニシス)組が、同銀メダルのリターユヒル、ペデルセン組(デンマーク)に1-2で逆転負けした。2年ぶりの優勝は逃したが、五輪女王として、さらなる進化と、今後のタイトル総なめを誓った。

 肩を落とすタカマツのネット越しに喜ぶデンマークペア。1カ月前とは真逆の光景だった。スタンドを埋める約6000人の観衆が見つめる中のリオ決勝の再戦。第1ゲームを先取も、第2ゲームを落とし、ファイナルでは相次ぐミスで大きく離された。高橋は「ついていくのがやっとだった」。松友は「やはり世界は甘くない」と素直に負けを認めた。

 ただ調整不足でも決勝まで進んだ。今後、2人はどこへ向かうのか。再スタートの大会で、将来のビジョンが見えてきた。準々決勝後、松友は「自分は前衛で試合を作ると思ってやってきたが、これからは2人とも前衛というペアも出てくるかもしれない。ずっとは勝ち続けられない。それも楽しい。世界が進化する中で、新しいものを試し、見つけていく」。まるで新たなライバルや戦術を熱望するように話していた。

 一方の高橋はこの日「タイトルにこだわっていきたい」ときっぱり。今年12月のスーパーシリーズファイナルでの2度目の優勝と、来年の世界選手権での金メダルをあらためて目標に掲げた。「メダリストとしての自信がある。若いペアの勢いに押されないように頑張る」。淡々と話す2人はすでに女王の風格十分だった。【高場泉穂】