開幕から3戦全勝の2校の対戦は、対抗戦6連覇を目指す王者帝京大が逆転で慶大を下した。

 序盤に主導権を握ったのは慶大だった。スクラムに活路を見いだし、相手ボールのスクラムではSHからボールが入った瞬間に猛プッシュ。繰り返し反則を奪い、攻勢に立つ。15分にはゴール前のスクラムからSO古田京(2年)が中央へ先制トライを奪った。

 大学王者も反撃する。20分にゴール左5メートルのラインアウトからモールで押し込み、フッカー堀越康介(3年)がトライを決めて同点とした。岩出雅之監督(58)は先制されてすぐに左プロップを西和磨(3年)から浅岡俊亮(2年)に交代し、FW戦をてこ入れ。36分の相手陣深くでのスクラムは押し返した。前半終了間際はふたたび慶大に攻め込まれたが、トライを許さず21-10で折り返した。

 後半もトライの取り合いになった中、帝京大が苦しみながら強さを見せた。開始2分にふたたびゴール前ラインアウトからのモールでトライし、引き離す。前半で苦戦したスクラムも、後半の1発目では押し勝って反則を奪った。一方で、出足が衰えない慶大のタックルに反則やボールを奪われる場面も目立った。終盤はFW戦で攻め込まれて連続トライを奪われるなど、もろさも見えた。ラストプレーでも敵陣でのラインアウトを失敗するなど、昨季までは圧倒してきたFW陣の精度に課題を残す一戦となった。