2020年東京五輪・パラリンピックの3会場見直し問題で、東京都の小池百合子知事、政府の丸川珠代五輪相、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長、大会組織委員会の森喜朗会長と、4者のトップ級会合が29日、都内で始まった。午後2時開始予定だったが、約15分遅れで開始。最後に会場に入室した小池知事はテレビカメラに向かって「生中継している」と笑顔を見せた。会合ではボート、カヌー・スプリント、バレーボール、水泳の3会場について、都の見直し案から、具体的な結論を出すとみられている。

 大会組織委員会の森会長は「3つの施設についてどういう結論をお出しになるのか。その結論を小池知事がどう受け止められるのか。主催の東京都に従うのは当然と考えている」と話した上で「すでに我々が2000億円を削減した」と、ここにきての見直しに疑問を呈した。

 丸川五輪相は「大会経費をなるべく早く国民に知らせる必要がある。本日の議論で大会成功への方向性を示せればと思っている」と話した。

 東京都の小池知事は前回64年東京五輪時との時代状況の違いを強調。「20年以降のことを考えないといけない」と話し始めた。「コスト削減、総コストのキャップをはめる。ガバナンスをどうするか」と続けた。東京都の考え方として「水泳会場は当初2万席必要とうかがっていたが、1万5000席で良いと。683億円から513億円へ減少」と主張。ボート、カヌー・スプリント会場に関しては「長沼も考えたが、海の森水上競技場。バレーボール会場は横浜アリーナがいいと考えた。世論調査でも7割が指示。ただ確認することもあるので、しばらくお時間を頂戴し、クリスマスまでに最終結論を出したい。猶予をいただけないかと、コーツ副会長にお願いした」と話した。