リオ五輪代表で14年覇者の山口茜(19=再春館製薬所)が4強に進出した。同学年の川上紗恵奈(18)に第1ゲームを先取され、第2ゲームも19-20とマッチポイントを奪われた。崖っぷちに追い込まれたが、驚異的な粘りで逆転勝利。2年ぶりの優勝に弾みをつけた。

 幸運を呼ぶ負傷だった。川上に第1ゲームを先取され、第2ゲームも19-20と敗退寸前。だが、このときのレシーブで右膝を擦りむいた。傷の治療で中断。約3分間の治療を終えると、流れは急変した。

 「開き直った。負けを恐れず、攻めていけた」。絶妙の間が心を落ち着かせる。試合が再開すると相手を前後に揺さぶり、連続スマッシュで21-20と逆転し、ゲームポイントを奪い取る。焦った相手のミスを誘って、第2ゲームを取った。

 1-1で迎えた第3ゲーム。開始から5連続得点。流れは完全に山口に傾く。21-9と圧倒し、2-1と逆転勝ちした。過去8連勝の相手。負けられないとの思いが、力みにつながったが、崖っぷちから立て直した。3日の準決勝は13年覇者の三谷と対戦。「落ち着いて、諦めず、丁寧に我慢できた。今後に生かせる」。2年ぶりの優勝は確実に近づいた。