自動車のF1シリーズで初の総合優勝を果たしたニコ・ロズベルク(31=ドイツ、メルセデス)が、現役引退を正式に発表した。ウィーンで2日に会見を開いたが、その中でライバルだったルイス・ハミルトン(31=英国、メルセデス)に対し、発表を前に携帯電話のコミュニケーションアプリを通じて引退することを伝えていたと明かした。

 そんなロズベルクについてハミルトンは「この18年間で彼が初めて勝利した。でも僕はおそらくそのことを驚かなかった唯一の人間だろう。彼のことをずっと長く知っているから」と話した。さらに「もちろん彼とのライバル関係を懐かしく思うだろう。僕らはいつもワールドチャンピオンになることを話していたんだ」と続けた。今後については「誰が僕の同僚になるかは大きな問題ではないんだ。正しい決断を下してくれる、いいチームチーフがいる」とコメント。一方で「僕の終わりもひょっとしたらすぐに来るかどうかは、誰にもわからない」とも話した。

 また、メルセデスのチーム責任者を務めるニキ・ラウダ氏は「ハミルトンとロズベルクの2人はF1界のベストドライバーだ。メルセデスはこの3年間で3度、ワールドチャンピオンを獲った。このまま続いていくことができたら、我々はどれほど熱狂していたことだろうか。(ロズベルクに代わる)新しいドライバーを探さなければならない」と話した。(中野吉之伴通信員)