女子63キロ級のホープ、嶺井美穂(19=桐蔭横浜大)が、リオ五輪の金メダリストを破った。11月の講道館杯で2位になった嶺井は、準々決勝で15年世界選手権とリオ五輪で優勝したティナ・トルステニャク(26=スロベニア)を撃破。決勝ではオーストリア選手に惜敗したものの「少しはアピールできた。自信になりました」と話した。

 神奈川・桐蔭学園高時代から注目されたが、今年1年はケガに泣いた。「右肩二頭筋腱(けん)損傷」で1月に手術。1カ月間入院し、トレーニングを再開したのは4月だった。畳に復帰して乱取りを始めたのは9月。「もう柔道ができないのでは」と焦った時期もあったが、講道館杯を復帰戦に決めて地道なリハビリに励んできた。

 全国中学大会では3年連続で2位、シニアの海外大会も出場した2大会で2位など「シルバーコレクターって、言われているんです」と言った。この日も決勝で敗れ「勝ちきれないのが課題。2位じゃダメだと学んできたけれど」と決勝を悔やんだ。

 それでも、かつてのリオデジャネイロ五輪候補が復活のきっかけをつかんだのは確か。「やっとスタートラインに立てた」と、4年後の東京五輪を目指して話した。もちろん、目標は五輪の金メダル。嶺井は地元の大舞台で「シルバーコレクター」返上を目指す。