【マルセイユ(フランス)7日=高場泉穂】真凜が発熱のピンチに見舞われた。8日に開幕するフィギュアスケートジュニアグランプリ(GP)ファイナルに向け、本田真凜(15=大阪・関大中)ら女子3人が本番のリンクで公式練習を行った。本田はマルセイユに到着した6日、39度3分の発熱。この日も37度8分の微熱で練習をこなし、昨年の3位に続く2季連続表彰台を狙う。

 37度8分の熱を帯びながら、本田は本番リンクでショートプログラム(SP)「スマイル」を大きなミスなく滑りきった。前日まで、体調は最悪だった。羽田空港からマルセイユに向かう機内で「しんどくなった」。6日朝の到着後に熱を測ると、39度3分もあった。熱を下げる冷たい湿布を額に張り、何も食べずに一日中眠り続けた。朝起きて「めっちゃおなかがすいていた」と朝食を食べてリンクに来ると、不思議と体が動いた。むしろ「(体が)軽い感じで良かった」。氷で頭を冷やしながらも、3回転の連続ジャンプを何度も決めた。

 勝負強さには自信がある。今季はジュニアGPスロベニア大会から帰国した9月末にも約2週間、39度の熱にうかされ、4キロ体重を落とした。そんな体調のまま臨んだ10月初めの近畿選手権では、SPで自己ベストに0・99と迫る65・12点をマーク。フリーでもノーミスの演技で非公式ながら129・94点の自己最高点をたたき出した。「近畿の時もそんな感じでできたので、何とかなる」と前向きに話した。

 6人中、ファイナルを経験しているのは本田だけ。「その経験を生かしたい」と気持ちの余裕すらある。狙いすぎるのは性に合わないがモットー。初優勝を狙う気持ちはあるが、この日も「自分の気持ちを隠して、いい気持ちのコントロールができている」と話した。熱のピンチをものともせず、ひょうひょうと自分らしい滑りを見せる。