女子日本代表「スマイルジャパン」が、平昌五輪の日本勢出場第1号となった。世界ランク7位の日本は3-1で同8位のドイツを下し、勝ち点9で1位突破を決め、2大会連続3度目の出場権を獲得した。2-1の第3ピリオド(P)に、FW久保英恵(34=西武)が今大会5点目となるゴールを決め、突き放した。サッカーなでしこジャパンの澤穂希さんにあこがれて競技普及を目指すベテランが、次は悲願の五輪初勝利へと突き進む。

 スマイルエースの一撃が五輪への合図となった。2-1の第3P14分43秒、フェースオフからFW床秦のパスを受けた久保は「打つ前にコースが見えた」と、思い切りスティックを振り抜いた。弾丸シュートは一瞬で左下のネットに突き刺さり、3000人を超える観衆から地鳴りのような歓声が沸き上がった。3戦連発5ゴール目に「こういうのを神ってるって言うんですかね。全試合点が取れるなんて。自分でもびっくりです。でも五輪が決まって正直、ほっとした」とあんどの表情を浮かべた。

 13歳で代表デビューした「アイスホッケーの澤穂希」にとって大事な連続出場権だ。「女子サッカーも澤さんが五輪やW杯に何度もなでしこジャパンを出場させることで、ここまで注目されることになった。アイスホッケーも、メディアに取り上げてもらうためには、まず続けて五輪に出ないと」。14年ソチ五輪は5戦全敗も出場権が途絶えれば何も始まらない。まずは最低限のノルマを果たした。

 自身2度目の五輪は、1歩先を見据える。日本の女子アイスホッケー選手は、実業団チームがなく、大半はアルバイトなどで生計を立てながら競技を続けている。久保はソチ五輪出場前に、日本オリンピック委員会(JOC)の仲介を受け、生命保険会社に就職。出社は週3回、残りをトレーニングにあてるなど、比較的恵まれた環境で練習が続けられるようにはなった。だが「まだ満足いく環境で練習できない後輩は多い。メダルを取り、もっと競技にスポットを当てたい」。34歳になる氷上のスナイパーの次なる狙いは、メダル奪取と後進の環境改善にある。

 あこがれの澤さんは4度目の五輪で銀メダル、5度目のW杯で世界一に導いた。「まだ澤さんに会ったことがないですが、注目されればチャンスができるかもしれない。だから結果を出し続けないと」。女子スポーツ界のレジェンドへ近づくため、ひたむきに技を磨き上げていく。【永野高輔】

 ◆久保英恵(くぼ・はなえ)1982年(昭57)12月10日、北海道苫小牧市生まれ。4歳から競技を始める。苫小牧工から北海道浅井学園短大、岩倉ぺリグリン、オークビルアイス(カナダ)を経て西武入り。97年に日本代表初選出。五輪予選は01年のソルトレークシティー、04年のトリノ、13年のソチに続き、今回が4度目の出場。168センチ、65キロ。血液型B。

 ◆久保筆頭に数字も圧倒 3連勝の日本は数字でも他国を圧倒した。3試合でドイツより5点多い13得点を挙げ、最多得点者は5ゴールの久保。アシストを合わせたポイント数も6の久保がトップで1得点4アシストの床秦が2位で続いた。チームのシュート数はドイツより8本多い113本で最多。総失点数は最少の3。GK藤本那は浴びた60本のシュートのうち57本を防ぎセーブ率は最高の95%と堅守で突破に貢献した。