日本サーフィン連盟(NSA)は18日、千葉県鴨川市の東条海外で強化指定選手による強化合宿を実施した。ジュニアの強化合宿は恒例だが、シーズンのほとんどを海外転戦で過ごすトップ選手を集めての本格的な合宿は初。日本プロサーフィン連盟(JPSA)ワールドサーフィンリーグ・ジャパン(WSLJ)と3団体合同での開催も初めてで、NSAの酒井厚志理事長は「東京五輪が決まり、日本のサーフィン界全体が動きだした」と話した。

 合宿には2月に発表された強化指定選手男女81人のうち60人が参加。これだけ多くの選手が参加する合宿も初めてで、ジュニア強化合宿に2回参加した経験のある鈴木姫七(18)も「こんなに多くのトップ選手が集まって、すごく刺激を受けます」と笑顔をみせた。

 この日と2日目の19日は試合形式の練習。1ヒートごとにビデオを見ながらチェックし、南アフリカの名将シャープ氏から「世界基準」の指導も受けた。さらに、1人ずつNSAの強化スタッフと面接し、今季のスケジュールや目標などを確認。これまで個々で行っていた強化に関わる情報をNSAと共有することで、より強化体制を強固にすることが狙いだ。

 最終日の20日は、海に入らずに勉強会を実施。ドーピング説明会やSNS利用に関する講義、日本代表として、五輪選手としての心構えや行動規範なども徹底する。「競技力」だけでなく「人間力」も高めるのが狙いだ。初日を終えて、強化を担当するNSAの井本公文副理事長は「大規模な合宿だったが、選手の反応は良かった」と満足そう。日本サーフィンが、20年東京五輪に向けて大きな波に乗る。