北京五輪でケニア史上初のマラソン金メダルを獲得したサムエル・ワンジル(ザバス)が26日のロンドン・マラソンで、ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が持つ2時間3分59秒の世界記録に挑戦する。「調子はいい。天気が良ければ世界新を出せると思う」と自信に満ちた言葉が口をついて出る。

 昨年のロンドンは9秒差で2位に終わったものの、2時間5分24秒で自己記録をマークした。自信の裏には「去年は最後の7キロで雨が降って寒かった。初めてのコースでどこにカーブがあるかも分からなかったが、今年は頭に入っている」という経験がある。

 今大会に向けては練習拠点とする福岡の寒さを避け、故郷のケニアで1月から準備を積んできた。標高2000メートルを超す山岳地帯で40キロ走を3回こなし「アップダウンがあるからきつかったけど、2時間15分から20分で走った」と手応えは十分だ。

 初マラソンだった一昨年12月の福岡国際を2時間6分39秒で制し、酷暑の北京で2時間6分32秒の驚異的な五輪新記録を樹立した。ハーフマラソンではゲブレシラシエが持っていた世界記録を更新した日本育ちの22歳が、フルマラソンでも「皇帝」の偉業を塗り替えるか。(共同)