▽東京

 計画に不透明な部分はあるが、高い質を持つ。非常にコンパクトな会場計画。輸送能力の高い公共交通機関。国と東京都の財政保証があり、景気悪化にも対応できる。世論の支持率が比較的低いことは懸念される。既存施設のいくつかは造り直さなければならない。選手村と五輪スタジアム周辺の交通は課題。選手村の建設予定地の広さに懸念。

 ▽シカゴ

 計画は詳細で高い質を持つ。コンパクトな会場計画で移動が便利。優れた設計、かつコンパクトな湖畔の選手村は特別な経験をもたらす。政府の直接的な関与があり、治安対策の責務も負う。会期中の通勤、通学時間帯の交通は大きな課題となりうる。景気悪化の懸念に対する全面的な財政保証がない。

 ▽マドリード

 計画の質は一定ではない。4都市で市民の支持率は最高。33会場のうちの23会場の既存施設を活用し、公共交通手段で移動可能なコンパクトな計画になっているが、五輪スタジアムなどの建設は財政的な課題。セーリングは361キロ離れたバレンシアで行うため、別の選手村が必要。世界反ドーピング機関の基準に準拠しているか明白でない。

 ▽リオデジャネイロ

 計画は詳細で、非常に高い質を持つ。構想は世論の強い支持に裏打ちされた。インフラ整備や景気悪化への懸念に対して政府や市の財政保証がある。宿泊施設の整備には注視が必要。治安の課題はあるが、市の新たな取り組みは成果を示している。14年のサッカーW杯開催はインフラ整備を促進し、大会の組織運営の貴重な経験となる。(共同)